30年間変わらない企業での女性活用の現実

日経ビジネス2013.8.26号の特集記事「女性昇進バブル」に出てくる記事です。

 

安倍首相が打ち出した女性管理職比率202030%という数値目標。

 

男女雇用機会均等法の施行から30年近くになろうとしているのに、日本企業の女性の管理職比率は10%と低迷しており、少子化による労働力の減少も控え、もっと女性の力を活用して経済成長を高めようという思惑です。

 

その数値目標を受けて国内企業の人事は「2030(ニーゼロ・サンゼロ)」と慌てています。

 

記事には、次のような「事件」が紹介されています。

 

・仕事ができるスーパーウーマンを女性管理職のお手本として会社のロールモデルにしたところ、「私には無理」と逆に後輩女性の意欲を下げてしまった会社。

 

・上司が女性なら同性の部下の悩みも分かり合えて部下を育成できるだろうと安易に考えていたら、男性より厳しく部下の女性を評価したり、嫉妬心やライバル心を燃やしてしまい、かえって職場を混乱させてしまう女性管理職。

 

・育児休業を取っていた同僚の女性をサポートしていた男性が、育児休業明けに彼女の資格は自分より上だと知ってモチベーションを下げてしまい、男性差別になってしまっている会社。

 

いずれも、女性を特別に早く管理職にしようとした結果、思わぬ副作用を起こしています。

 

この30年近く、どの企業も、女性の活性化のために様々な施策に取り組んできたものの、現実は十分な成果を上げられないままでいます。

 

私も会社の人事で、経営から女性の活性化という至上命題に取り組みましたが、なかなか特効薬は見つかりませんでした。

 

女性の活用を進めるには、どうしても出産と育児の問題がでてきます。出産は男性にはできませんが、育児への関わり方を変えることはできます。

 

安倍首相は3年間の育児を提唱していましたが、3年間も女性が職場から離れていて管理職への登用を進めようとするのは、どう考えても無理な話です。

 

社会全体で男性の働き方そのものを考え直さないと、育児の問題は解決できません。

 

お上からの数値目標に向かうだけでは、何も変わらないでしょう。

 

男性の中には、まだまだ、家事・育児は女性がやって当たり前という保守的な価値観を求める人が多くいます。

しかし、現実には多くの家庭が共働きになっていますし、近い将来の労働人口減少が到来したときには深刻な社会問題となります。

 

大切なことは、男女ともに従来の固定観念に縛られずに柔軟に発想して動いていくことだと思います。

 

長文になりました。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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